J14 Group ｜選手目線で考える個人戦術

個人戦術の重要性とは

サッカーでは、チーム戦術が試合の勝敗を大きく左右しますが、その戦術が機能するためには、選手一人ひとりが的確な「個人戦術」を実行することが不可欠です。個人戦術とは、選手自身が試合中に瞬時に判断し、行動する能力を指します。これにはポジショニング、プレッシャーを回避する技術、周囲の選手との連携を意識した動きなどが含まれます。

本記事では、選手の視点から個人戦術を深掘りし、それを高めるための具体的なポイントとトレーニング方法を考えていきます。

個人戦術とは何か？

個人戦術は、サッカーの「判断力」と「実行力」に密接に関係しています。これらは主に以下のような状況で求められます。

ポジショニングの選択ボールを受けるためのスペースをどう作るか、あるいは守備時に相手のパスコースをどう制限するか。
プレッシャー下での判断ボールを持ったときに、ドリブル・パス・シュートのいずれを選ぶべきかを即座に判断する能力。
オフザボールの動き味方がボールを持っているとき、自分がどう動けばチーム全体に貢献できるか。

例えば、ディフェンスラインを突破するスルーパスを受けるためには、ただスピードが速いだけでは不十分です。タイミングを計り、相手ディフェンダーの視野から消える動きを繰り返し、瞬間的にスペースを使うことが必要です。

選手目線で考える個人戦術

個人戦術を磨くためには、選手自身がピッチ上での状況をいかに「見て」「考え」「行動」するかを理解することが重要です。以下に、具体的な状況ごとに選手目線で考えるポイントを挙げます。

1. 攻撃時の個人戦術

a. ボールを受けるための準備ボールを受けるためには、単に「近づく」だけではなく、相手から距離を取ったり、スペースを作り出す工夫が必要です。

チェックの動き相手に近づいてから素早く離れる「チェック」の動きは、相手を引きつけてスペースを作る基本的な方法です。
身体の向きと視野ボールを受ける前に身体を正しく向け、周囲の状況を確認することで、次のプレーに素早く移行できます。

b. プレー選択の優先順位選手がボールを持った際、何を優先するべきかを素早く判断する必要があります。

リスクとリターンのバランスハイリスクなパスを選択する場面と、確実にボールを保持すべき場面を区別する。
相手の重心を見る相手ディフェンダーの重心や動きの方向を見て、ドリブル突破やパスのタイミングを調整する。

2. 守備時の個人戦術

a. 1対1での対応守備において、1対1の場面は非常に重要です。

相手の利き足を限定する相手の得意なプレーを封じるために、利き足方向を制限する守備を心がける。
距離とタイミング相手に詰めるタイミングを見極め、飛び込みを避けつつ、プレッシャーをかけ続ける。

b. 守備の連携守備では、個人だけでなくチーム全体の連携が必要です。

パスコースを制限する相手にパスコースを与えないよう、自分の立ち位置を調整する。
プレスのスイッチいつプレッシャーをかけるか、味方とタイミングを合わせる。これには声掛けも重要です。

個人戦術を高めるトレーニング方法

選手の視点で個人戦術を磨くためには、実戦的なトレーニングが欠かせません。以下にいくつかの具体例を紹介します。

状況判断トレーニング少人数制のミニゲームを通じて、狭いスペースでの判断力を鍛える。特に3対3や5対5では、攻撃と守備の切り替えも意識できる。
ポジショニングドリルコーチが様々な指示を出しながら、選手に正しいポジショニングを選ばせるトレーニング。これにより、スペースを認識する能力が向上する。
映像分析を活用自分や他の選手の試合映像を見て、良い例と悪い例を比較しながら改善点を発見する。
ディシジョンメイキングゲームパス、シュート、ドリブルの選択を瞬時に求めるゲーム形式のトレーニングを行い、試合中の反応速度を鍛える。

個人戦術とチーム戦術の関係

個人戦術はあくまでチーム戦術を支えるための基盤です。一人ひとりが適切な判断をし、正しい動きをすることで、チーム全体の戦術が機能します。そのため、選手は自分の役割を理解し、チームのためにどう動くべきかを常に意識することが大切です。

まとめ

選手目線で考える個人戦術は、判断力、ポジショニング、そしてプレー選択のすべてに関わる重要な要素です。この能力を磨くことで、個々の選手がピッチ上でのプレーの質を向上させ、結果的にチームの成功にもつながります。

実戦的なトレーニングや映像分析、そして試合経験を通じて、選手一人ひとりが自身の個人戦術を磨き、より高いレベルのプレーを目指しましょう。